【古雅楽館】おうちでカクテル Ⅱ

 

「解決のアイデア・連想ゲーム」はブラインドとダイニングテーブルにあった。

 

【古雅楽館】《台所改装計画Ⅰ・Ⅱ》に記した「イカレた三連ブラインド」は、その後もダマしダマし使っていたが、一年経った今年の春に一基の『昇降コード』が切れ、他の二基は『スラット』がヨレヨレに折れ曲がり、全体の見た目の悪さが如何にもビンボーくさいので、遂に全面交換することに決めた。ブラインドのデザインや工事を依頼する店は、昨年からネットで目星を付けて下見までしていたから迷わず直行。スマホで撮った写真を見せながら相談の結果、スタッフが家に来てもらい採寸と現物見本で色合わせし、その後職人さんに作業してもらったが、オーダーから打ち合わせして取り付けまでの工期は一週間で完了。

 

おニューのブラインドは前と同じタイプの「横型」だが、素材はアルミ三連から『ワイドスラット』の木製二連に変えた。これはずーっと前から「今度ブラインドを新調する時は、部屋に合わせて是非木製を」と思い続けていたので、もう執念である。多少問題だったのは『スラット』の全幅と奥行きがワイドになった分だけ造り付けの「ブラインドボックス」に収まり切れず、止む無くボックスの前に直付けしたこと。「取って付けた感ありあり」と危惧(きぐ)していたのだが、これまた部屋一杯に造った「ウオールシェルフ」とカラーマッチングも良く、杞憂(きゆう)に終わって「めでたしめでたし」(ボトム写真参照)。

 

 

【写真上】ブラインドを降ろした状態では『スラット』の角度を自由に調節できるので、目隠しや遮光(しゃこう)に時に応じて使い分ける。今の季節は日差しがが低いから、天気のいい朝はほんの一時「斜め縞模様」が現れるのが楽しい。

 

新しいブラインドは前の物より横幅が広がったので、既存の家具とバランスが取れるよう『ブックシェルフ』の位置をずらしたが、そうなるとダイニングテーブルの位置が「カップボード」寄りになってしまい、奥(窓際)に座るのが窮屈極まりない。昔、東京から(古雅楽館以外の)家族が引っ越して来た時、片側バタフライの蝶番は既に壊れていたので、『ブックシェルフ』にテーブルの端を乗せたアイデアは以前【古雅楽館】《ブックシェルフ放浪記》で書いたが、それも通用しなくなってしまった。

 

遅まきながら「これをきっかけにテーブルはきちんと修理して、ついでにレイアウトも変更しよう」と思い立ち、ホームセンターを三か所回ってやっと適合するサイズの蝶番を探し出して取り付けた。バタフライを展張する時に繰り出して支える『バー』は「生きている」ので「これで終了」なのだが、やはり強度的に気になる。特にいたずら盛りのチビスケ共が不用意にバーを引っ込めたら、降りたバタフライがおつむに「ごっちんこ」するとも限らない。

 

コトが起きてからでは遅いので、バーが引っ込んでもバタフライが降りないよう、事前に対策を立てることにした。一番簡単なのは「支える」家具をバタフライの下に置くことだが、椅子がバタフライの下に引けるか、バタフライ下降時に家具の置き場はどうするか、その家具は普段「何に」使うのか等、結構悩ましい。で、アタマに電球が灯ったのが「酒のボトルとグラス置場」にすることだった。移動出来ることを前提とすればキャスター付きが望ましいし、高さがバタフライの底に段差なく収まらなければならない。となるとやっぱり『キッチンワゴン』を置いて他にないのだが、次の問題は高さである。床からバタフライの裏までの高さは70cmなので、これより高くても低くてもいけないし、ヤワな構造も困る。

 

 

 

【写真上】前回載せたジンベースの『マティーニ』が「キング・オブ・カクテル」なら、対する「クィーン・オブ・カクテル」はウィスキーベースの『マンハッタン』だ。ライウィスキー+スイートベルモット+アンゴステュラビターズ。仕上げに「マラスキーノチェリー」を沈めるが、写真で見やすいように『カクテルピン』でカクテルグラスの『リム(=縁)』に飾った。『マティーニ』と並ぶ有名なカクテルだけに様々な処方があり、ライウィスキーの代わりにバーボンウィスキーも良く使われるが、(カクテルの)達人からは『バーボン・マンハッタン』と呼ばれ区別されている。『マンハッタン』については、他に【古雅楽館】《ミントジュレップ》13も参照ください。なお今回使用したライウィスキーは『エズラ・ブルックス』、ベルモットは敢えて『TOSOオレンジベルモット』。

 

IKEAやニトリ、ホームセンターに行っても「これは」というものが見当たらないので、Amazonを検索して余多(あまた)ある候補の中から漸く最適のブツを見つけた。ホームエレクターの『ブランチワゴン』キットである。通常、エレクターはポールやシェルフ等のパーツを購入して自分に見合ったカタチとサイズに仕上げるのだが、これは全てがパッケージ化されており手間もかからず、何よりも嬉しいのは高さがジャストフィットなこと。多少予算がオーバー気味ではあったが、背に腹は代えられない、早速注文した。この『ブランチワゴン』は三段構造で中段と下段がブラックのワイヤーシェルフ、天板がダークブラウンの突板で、ブラックポールとのコンビネーションは、すごくスタイリッシュ。何を何処の段に置くかは最初から決まっていて、トップは普段使いのグラスやシェーカー、中段は中振りのグラスとカクテルグラスやショットグラス、下段はボトルである。ただそのままシェルフに置いただけでは移動の際、グラスやボトルがふらつきやすく、最悪倒れてしまう。そこで次の課題はシェルフに収まるケースを探すことだった。トップは使い道があまり無かったステンレスのトレーを流用、中段は桐の菓子箱で何とか収まったが、下段のボトルケースが難物である。

 

 

 

【写真上左】『シーブリーズ』。ウオッカ+グレープフルーツジュース+クランベリージュースで、見た目も飲みやすさも女性受けするロングカクテル。1980年代に米国西海岸で流行した比較的新しいカクテルだけに、量や比率は確定していない。逆に言えばそれだけ自由度が高いので、今回はグレープフルーツジュースに『ウェルチのピンクグレープフルーツ100』を使用して、より色彩を華やかにした。【写真上右】テキーラベースのカクテルとしては、一番古いとされる『メキシカン』。ロンドンで最も有名な老舗ホテル『ザ・サボイ』の『アメリカン・バー』でチーフ・バーテンダーを務めた『ハリー・クラドック』の創作とされる。テキーラ+パイナップルジュース+グレナデンシロップで、テキーラとパイナップルジュースの比率は自由に調節出来る。通常カクテルで『メキシカン』と言えばここの「ショートドリンク」を指すが、この他に「ロングドリンク」タイプもあり、作り方と味は全く異なる。なお、使用したテキーラは『カミノ・レアル・ブランコ』。

 

数日後到着した『エレクター』の梱包を開封し、検品を兼ねながらシェルフとポールに囲まれた内法(うちのり)のサイズを確認。「適合したケースを見つけ出すまで組み立てはお預け」と自分に言い聞かせ、「ハコ探し」が始まった。100均のプラケースはサイズも合わないし大体にしてプラ製はビンテージの小道具と調和しないので論外。市内のインテリアショップ巡りをしても「これぞ」という物がやはり見当たらず、Amazonでも「帯に短し」である。ヤフオクやメルカリも思いつくまま検索語句を入力して探し続けたが、こちらもありきたりな収納ボックスばかりで残念な状況だった。まあ一発でヒットするのは余程の幸運でない限りあり得ないので、ここは「何としても見つけ出す」と覚悟を決め、時間を見てはネットを探し続けた。

 

アタマに第二の電球が灯ったのはそれから一週間過ぎた頃だった。きっかけはストレートに「酒のケース」で探したこと。普通だとビールのプラケースや一升瓶入れの木箱を想像してしまうが、意外なダークホースがいた。「ワインケース」である。我ながらこれは思いつかなかった。ワインを搬送する時に使用する木製の「空き箱」はオシャレなこともあり、結構人気があるようで何種類かオークションに出品されていた。その時点ではサイズ的に適合するものは無かったが、いずれコチラの希望に沿ったモノが出るだろうと、再び持久戦に持ち込んだ。

 

 

 

【写真上】完成した『ブランチワゴン』。『オーパス・ワン』の木箱と相性バッチリ。中に納まるのは前にあるものだけで右からラム二本、コアントロー、クラフトジン3本。ポールのてっぺんにはバタフライを支える上で、100均で購入の椅子用クッションフエルトを貼り付けている。【写真下】これまでと90度向きを変えて、バタフライを展張したダイニングテーブル。吟味した甲斐があって、展張したバタフライ上面は本体と面一(つらいち)である。通常、来客時はこんな状態でチビスケ共乱入の際は本文にも記した通り、ワゴンをもっと深めに潜らせる。

 

 

それから二週間後のこと、遂に出ましたタテヨコサイズ期待通りのワインケースが。しかも何という幸運!『オーパス・ワン2』である。憧れの『オーパス・ワン』木箱なんて、これ以上マッチするものはない。即決したかったけど表示なしだったので待つこと四日、『ビッダー3』は誰も現れず無事出品価格で落札した。何日かして木箱が到着、ワゴンを最速で組みあげ、下段のワイヤーシェルフに嵌め込んだところ、正に寸分の狂いもなく収まった。念の為シェルフの外枠から外れないように、付属していたボトルの仕切り板を箱の裏側に接着して「下駄(げた)」を履かせた。これでシェルフを動かしても一切ガタつかず、見目は『オーパスワン』のロゴと相俟(あいまっ)って「如何にも」といった塩梅(あんばい)である。

 

 

【写真上】部屋全体との兼ね合いを見る。おニューのブラインド、『ブランチワゴン』共々、違和感なく部屋に溶け込んでいる。カミさんと二人の時はこんな状態。

 

修理したダイニングテーブルは本来の役割を果たせるよう、長辺がブラインドのある出窓と平行になる様に配置。片側バタフライは南向きでで通常折り畳み、『ブランチワゴン』を一緒に並べている。チビスケ共登場の節はバタフライを広げ、その下へ深めにワゴンを潜らせてポールで支えているのだが、バーをいじっても目論見(もくろみ)通りポールが支えているし、キャスターにはストッパーも付いているので、これまで事故ったことは一度もない。

 

それにしても、また家具が増えて部屋が窮屈になると案じていたのが、逆にテーブルとの相性がこれ程良いとは思わなかった。恰(あたか)も、昔泊まった英国カントリーホテルのダイニングルームを彷彿(ほうふつ)させる雰囲気に仕上がり、構想を実行してから完成に至るまで約一か月半、やっと思いを実現させただけに感慨はひとしおである。

 

今回一連の出来事で得た教訓。「信じる者は救われる

 

【写真下】リビング入口、スピーカー側から望む。ブラインドを1/3程畳んでも部屋の表情が変わる。『ウオールシェルフ』に取り付けたブラインドのサイズとダイニングテーブルのバランスをとるのが、レイアウト変更の発端だった。

 


 

《この項不定期に続く》

 

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1.「壁掛け棚」のことで、DIY用のパーツはホームセンター等で容易に入手可能だが、古雅楽館のソレは積層材の頑丈な造り付けである。本来はプロジェクターや『サラウンドバック』用のスピーカー置台として、リノベ時にオーダーしたもの。空きスペースはアンティークやジャンク品の置き場として活用している。【写真上】参照。

 

2.米国カリフォルニア州ナパバレーのワイナリーで造られる、高品質な高級ワイン。『オーパス・ワン・ワイナリー』はフランスの第一級シャトー『シャトー・ムートン』の名声を高めた『フィリップ・ロートシルト』と、カリフォルニアワインの品質向上に貢献した『ロバート・モンダヴィ』とにより、1978年に設立された合弁会社である。詳しくは【古雅楽館】《サウサリート》5・6参照。

 

【写真下】『オーパス・ワン』ワインケース木箱のクローズアップ。プリントされたロゴが格好いい。右の写真でサイドには『ロバート・モンダヴィ』と『バロン・フィリップ・ロートシルト』のコラボである旨が、誇らしげに表示されている。一本「数万円」もする『オーパス・ワン』は、古雅楽館にはとてもじゃないがお呼びでないけど、ハコが手に入っただけでもシアワセ。因みに2016年ホンモノ6本入りのケース売り価格は、Amazonだと258,000円です。

 

 

 

3.オークションで「競り相手」のこと。【古雅楽館】《ポンテ・ベッキオ》にも記した。

 

4.実際よりも背を高く見せる意(本文はこれ)から、「より大きく(=立派に)見せる」、「水増しする」意味にも転用される。

 

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【トップ写真】新たにしつらえた「木製ブラインド」。木製幅広『スラット』の角度を調整することにより、窓辺の表情が微妙に変わる。出窓に並ぶキャンドルホルダー中心のビンテージガラス製品はクリアーの物だけ並べて、色彩感を統一。

 

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