【古雅楽館】おうちでカクテル Ⅰ

 

官民挙げての「ステイホーム」も緩和されたと思えば、コロナウィルスが再度猛威を振るっている今日この頃、最早日常化した「引きこもり生活」、皆様方いかがお過ごしでしょうか。TVや雑誌は、こぞって「こんな時こそ〇〇をしよう」と視聴者・読者を煽(あお)っているので、日本国民全員が様々なジャンルのおうち労働を初めて体験と言うかチャレンジしたのではないだろうか。その中でもとりわけ屋外の「園芸」と屋内の「料理」は人気度ナンバーワンで、お陰でホームセンターや家電量販店の売り上げは絶好調だとか。食材もバターや「ドライイースト」は品薄状態がしばらく続いたし、『レトルトパウチ』も大人気である。

 

「古雅楽館は?」と言えば、「特段、何も」と答えざるを得ない。今まで通りフツーの生活を粛々(しゅくしゅく)とこなしているだけである。ただ家での時間が増えた分、『見えない家事』の「なすべきこと」メニューは格段に増えた。インテリアやオーディオのメンテナンスと修理、「積読(つんどく)」本の整理など、これまで手をこまねいていた面倒な作業も少しずつではあるが、実行出来るようになったそれと春以来、古雅楽館にとっては個人的体験が頻発し、現在も継続中だから「ゆっくり休める」時間なぞありませんでした。公務では担当している業務の性格上、リモートワークができないのでほぼ毎日出勤しているが、時期が時期だけに現在は「フレックスタイム制」に準じた勤務をしている。

 

ライフスタイルが大きく変わったのは、やはり『食』と『酒』である。『食』の方は「朝」と「昼」の比重(メニュー)が逆転したこと。コロナ前までは朝食をそそくさと済ませ、出勤前の限られた時間の中で弁当の「おかず作り」に工夫を凝らしたものだったが、仕事量に応じた出勤時間となればそこまでエネルギーを費やすことなく、家で食べるフツーの「昼飯」になってしまった。逆に朝食は「一日のスターター」として栄養面をしっかり考慮し、食事にかける手間と時間は格段に増えた

 

 

【写真上】『クスクス』の蒸し方は手をかける程美味しく仕上がるが、古雅楽館はどんぶりに入れた『クスクス』顆粒(=『スム―ル』という)に熱湯を入れて戻し、EVオイルと調味料で和えるだけだから手抜きそのもの。それでも十分に美味しいので、この日は『シラス』を混ぜて二色の中玉トマトと茄子を添えた。他におかずは(左から)「(カミさん手製)大根の葉っぱと油揚げ炒め」、「空心菜のトムヤムペースト炒め」、「オイキムチ」、「胡瓜の糠漬け」で、「フイッシュベジタリアン」の無国籍料理。

 

主食は雑穀米中心で、豆類の多い『十五穀米』と『もち麦』や『キヌア』をブレンド。たまには「パン」か「クスクス」も。おかずは昨晩の「余り物」に、卵や納豆・豆腐等の大豆製品で補うがメインは何と言っても野菜である。古雅楽館は一日に摂(と)る野菜を10種類以上と決めているので、朝食はいつも6~7種類は食べる。それも味噌汁や漬物に加えエスニックなおかずばかりである。昼は大概が麺類で、夕食はカミさんと古雅楽館が肉や魚、煮物などそれぞれ最低一品ずつ用意。レパートリーが異なるので食材や料理方法がダブることはない。台所がかち合わない様、夕方早い時間にカミさんは調理を済ませているから、古雅楽館は帰宅すると取りあえず一杯ひっかけて、一息ついてから料理にとりかかる。帰宅が遅かったり、料理に手間がかかったりした時は、カミさんの分は間に合わないから翌日の朝食用として冷蔵庫へ。

 

 

 

【写真】別の日の『クスクス』。【左】は玉葱・ピーマン・トマト・厚切りのベーコンのトマトソース。【右】ミニトマト・茄子・ズッキーニ・コリンキーのソテー。

 

さてとりあえず一杯だが、昔から『キッチンドランカー』を自認する古雅楽館は、ジンかウオッカのロックで始まり、その後はソーダ割でダラダラと飲むのが習わしだった。コロナ禍で生活リズムが大きく変わると、これまで同様のパターンでは「変化の実感が湧かない」とこじつけ、その日の〆としてメリハリをつけようと思い立ち、キックオフは『カクテル』で行くことに決めた。

 

カクテルは現役時代、銀座にある行きつけのショットバーでかなりの授業料を払って勉強したが、考えてみれば現役を退いてから外で飲む機会は年に数度だけなので、ショットバーも今に至るまで十回位しか行っていない。それにオーダーするのはいつも『シングルモルト』ばかりだったから、公の場でカクテルを飲んだのはかなり以前に社員旅行で横浜に泊まった時、ホテルのバーで飲んだ『ウオッカマティーニ』が最後である。改めてカクテルを飲みたいと思っても昨今のご時世はバーで飲むのも憚(はばか)れる状況であるから、勢い自作自演で行かざるを得ない。それに飲める体力もこの先見えているので、どうせヤルなら『本気モード』で悔いのない「酒人生」を全うしようと思ったのももう一つの理由である。

 

 

【写真上】今回紹介するカクテルは、各スピリッツで作る最も代表的なものばかりだが、カクテルの基本を押さえる上でも重要。先ず最初は何と言っても「キング・オブ・カクテル」の異名をとる『マティーニ』。ジン+ドライベルモット+アンゴステュラビターズとシンプル極まりないものの、時代と作り手によりレシピや割合が異なる。『マティーニ』については前々からブログに取り上げるつもりだったが、今もって実行していないのは怠慢(たいまん)の限り。使用したジンは創業300年以上の歴史を持つ『ベリー・ブラザース&ラッド社』のプレミアムジン『ナンバー・スリー』。ドライベルモットは、プロの世界でも圧倒的に支持されているフランスの『ノイリ―プラット』。

 

カクテルを作る上で道具はそれ程必要とせず、『シェーカー』や『メジャーカップ10』等はとうの昔からあったし、カクテルグラスやそのバリエーションも揃っているので、毎月少しずつ予算の許す範囲の中で酒を買い足した。カクテルの特徴として、使用する『スピリッツ』や『リキュール』は全て指定されており、代用品が効かない。仮にどれか一種類でも代りの酒を使えば、それだけでカクテルの名称が変わる。そんなことからカクテルを楽しむためにはそれなりの種類を取り揃える必要があるので、一番アタマが痛いのがコストである。

 

昭和40年代以降、何回かあった『マイホーム』ブームでは住宅雑誌上で必ずと言っていい程、『ホームバー』が提案されたものである。然し上記の理由に加え、ウヰスキー以外の洋酒は一般庶民にとってなじみが薄く、ましてや家で『シェーカー』を振るなんて考えも及ばない時代だったから、定着しなかったのも当然だった。酒の量販店が普及し、ネットでレアな酒も容易に買えるようになった今の時代でも、家庭で各種『リキュール』をずらっと並べる行為は、余程のマニアでなければハードルが高いと言わざるを得ないのが実態だ。

 

 

 

【写真上左】ウオッカベースのカクテルも定番が多いが、ここでは『バラライカ』を。ウオッカ+ホワイトキュラソー+レモンジュース。ウオッカはフランス産の『ピナクル・ウオッカ』。優しい口当たりで高品質ながら、リーズナブルな値段も〇。ホワイトキュラソーはボルスの『トリプルセック』。【写真上右】ラムベースのカクテルと言えばやはり『ダイキリ』だろう。キューバの『ダイキリ鉱山』を語源とするストーリーはいずれ。ホワイトラム+ライムジュース+砂糖。古雅楽館は砂糖は使わずシロップで甘さ控えめ。使用したラムは『プランテーションラム・スリースターズ』。フロリダで毎年開催される「ラムコンテスト」、「ホワイトラム部門」で二年連続金賞を獲得した実績を持ち、極めて高品質ながらコストパフォーマンスが高い。古雅楽館、目下お気に入りのホワイトラム。

 

で、「余程のマニア」の古雅楽館であるが、現在常時ストックしている酒はスピリッツが7種類15本、リキュールは約30種類、ワイン(とその仲間)が5種類。日本酒や焼酎は飲まないからナシ。ただこれだけボトルが増えると置き場が問題で、これまでカップボードやリビング窓際のワゴンで間に合わせていたのが通用しなくなってしまった。今更酒専用のキャビネットを買う余裕はないし、置くスペースはどこにもない。別の部屋にストックしておく手もあるが、飲むのにわざわざ部屋を行ったり来たりするのも億劫(おっくう)だ。さて、どうしたものか。

 

【写真下左】テキーラベースのカクテルは『テキーラサンライズ』が有名だが、今回は『マルガリータ』にする。テキーラ+ホワイトキュラソー+ライムジュース。グラスの縁に「塩」をあしらった『スノースタイル』がキモ。アメリカで極めて人気の高いカクテルであり、この『ホセ・クエルボ・エスペシャル』が最もよく使われるそうだ。ホワイトキュラソーは『コアントロー』。『バラライカ』のテキーラバージョンと見ることもできる(諸説あり)。【写真下右】これまた色々なカクテルの元祖ともいえる『サイドカー』。ブランデー+ホワイトキュラソー+レモンジュース。ブランデーは上を見ると切りがないので、ごく一般的な『ジュール・ゴートレVS』、ホワイトキュラソーはこれまた『コアントロー』。 お気づきのように紹介した三つのカクテル、『バラライカ』、『マルガリータ』、『サイドカー』はスピリッツが異なる親戚同士と言え、味を比較する楽しみは尽きない。

 

 

 

《この項続く》

 

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1.気密・遮光(しゃこう)性のある容器で密封した殺菌済み食品が『レトルト』。その中でもポリエチレン等のフィルムで袋状に密閉した物を『レトルトパウチ(食品)』と言う。

 

2.手に入れた本や雑誌を読むことなく重ねた(=積んだ)ままにしている状態。昨今増えている「本を読むことに興味のない」方々には単なる「金の無駄使い」としか映らないが、読書家にとってみれば本棚に並ぶ本の存在自体に意義がある。背表紙のタイトルが放つ「オーラ」は深層心理を刺激し感覚を鋭敏にする(『プライミング効果』という)働きがある。古雅楽館にとっても趣味の一つである「第二次世界大戦ドイツ空軍戦闘機の塗装」を調べる上で、苦心の末購入した洋書は例え数ページしか読まなくても、何年か後に別のページを改めて読み直して認識を新たにすることがよくある。

 

3.  ざっと挙げてもリビングフロアや廊下のクリーニングとワックスがけ、あらゆる部屋の窓拭き、台所の換気扇掃除、包丁研ぎ、糠床のメンテ、コレクションの掃除と並び替え、オーディオ機器入れ替えとケーブルの更新・全ての接続端子クリーニング、庭敷石の組み直しなど。

 

4.10月になってからは徐々にではあるが、以前の出勤パターンに戻りつつあり、弁当持参の日が続いている。

 

5.世界中で重要な食料の一つである「麦」は色々な種類があるが、一般に馴染みのあるのは大麦と小麦。粘りの出る『グルテン』は『小麦粉』で知られるように小麦に多く、パンの基本材料。一方大麦は澱粉(でんぷん)が豊富で、御飯やビール、麦茶に利用される。大麦にも米と同じく、粘りの少ない『うるち性』と強めの『もち性』があり、前者は『押麦』後者が『もち麦』である。どちらもカロリー・脂質・炭水化物などは変わらないが、タンパク質と食物繊維は『もち麦』の方が多く、「ダイエット」や「アンチエイジング」に効果ありとして最近もてはやされている。

 

6.南米アンデス山脈一帯が原産地の『ヒユ科アカザ属』の一年草で「ホウレン草」の仲間。「稗(ひえ)」や「粟(あわ)」等と同じ『雑穀』に分類される。タンパク質やミネラルを多く含んでおり、近年「健康食品」、「スーパーフード」として人気があるが、栄養価は米や小麦など穀物と比較しての話であり、全体的には「豆」類の方が勝れている。古雅楽館は本文にもあるようにそれらとミックスして使用している。

 

7.北アフリカ『マグレブ』・中近東を発祥(はっしょう)とする、小麦粉の粒(食)でそれを利用した料理。フランスやイタリア(特に南部)では普通の食材で、イタリアのサルデーニャやシシリアでは伝統料理として古くから食べられてきた。日本ではまだなじみが薄いが、『ジュピター』や『カルディ』、『やまや』等で容易に入手できる。デューラム小麦を粗挽きにした『デューラム・セモリナ』を様々な手法で蒸すのは共通だが、地域により盛付や付け合わせの食材が異なる。詳細はいずれ・・・。

 

8.【古雅楽館】《GIN》参照。

 

9.【古雅楽館】《大人の絵本Ⅰ》でも簡単に説明したが、スコッチウィスキーの製法で原料による分類をした場合、『大麦麦芽(おおむぎばくが)』だけを使用するものを『モルトウイスキー』といい、『単式蒸留釜』で2~3回蒸留した後、熟成させる。更に単一の蒸留所で作られて瓶詰された『モルトウイスキー』は『シングルモルトウィスキー』として、蒸留所の個性が際立つ別格の存在である。職人の手作業に頼る工程が多いのと、品質を安定させるのが難しいため少量生産となり、販路も限られる。どれだけの銘柄を取り揃えているかでショットバーのランクが判断できる、プロの世界ではある意味怖い存在。

 

10.カクテルを作る上で、酒やジュースを計量する道具。容量の異なる(4530)円錐形のカップが反対にくっついた鼓(つづみ)形が一般的。別名『ジガ―カップ』とも言う。挿入写真『バラライカ』、『ダイキリ』、『マルガリータ』に見えるのがソレ。

 

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【トップ写真】『サルビア・グアラニティカ(Salvia Guaranitica)』。一般には『メド―・セージ』の名で流通しているサルビアの仲間で、花期が長く梅雨時から晩秋まで紺青色の花を沢山咲かせる。一つ一つの花は持ちが悪く、ぽろぽろ落ちるので切花には向かない。

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