【古雅楽館】生落花生

 

古雅楽館位のトシになると弊社「番長」に限らず、友人達と互いの病気自慢をしたくなるものだが、勿論病気はしないことに越したことはない。健康の秘訣・裏技はTVや週刊誌をはじめ、ありとあらゆるメディア共通の話題として目につかぬ日はない。然し、ことそれをわが身に照らして実践しようとすると、どうしても「二の足を踏んでしまう」のが普通である。

 

食事と健康の因果関係も似たようなもので、産地表示や食品添加物、栄養素のバランスなど口が酸っぱくなるほど言われていながら、他人事のように食習慣を変えない(=無視している)方は古雅楽館の回りにもゴマンと居る。かく言う本人もその例に漏れず、「酒は週に最低一回は休肝日を設けなさい」と健康コンサルタントのお姉さんにアドバイスされても、実行した試しは自慢じゃないが一度も無い

 

とは言え、食べ物についてはそれなりにわが身に課している「シバリ」があって、第一に生鮮・冷凍・加工食品はどんなに安くても、(複数の)某国物は絶対買わない。最大の理由は農薬や成長ホルモン剤・食品添加剤の使用基準や量、賞味期限の正当性、遺伝子組み換えや重金属汚染、生鮮食品の輸送や保存管理といった生産地の環境が分からないからその二、「惣菜類」は一切買わない主義で、仕上がりは素人っぽくても、或いは無駄に時間がかかっても手作りに拘っている。これは寧ろカミさんが昔から実行しているのだが、「食育」の見地から、本当の「おふくろの味」を娘達に伝えるためだったから。お蔭で娘全員料理上手になったのは喜ばしい限りで、その甲斐(かい)あって娘の子供達(マゴ)も毎日ママの手作り料理を食べられるということは、フツーの暮らしの中で小さな「シアワセ」以外の何物でもない。あともう一つ上げると、甘い物(お菓子)は一切口にしない。カロリーの高いアルコールを毎日飲んでいるのと、(少しでも)糖質制限を我身に課するため。昔、冗談交じりに修行したら本当に食べなくなってしまった。だから「間食」もこの数十年一切なし。一日に「胃」に入るのは、お茶とコーヒー(もちブラック)、「三度の飯と夜のアルコール(&つまみ)」だけ。

 

現役時代は単身赴任で一人暮らしが長かったこともあり、二重生活の経費節減で勢い自炊せざるを得なかった。それに同じ理由から「決して病気になってはならぬ」と自分に言い聞かせ、「食の安全性」には殊のほか気を使った。残留農薬や食品添加物以外にも成人一日に必要な栄養素や摂取量など、随分本を読んで研究したものである。だから、今でも昼食は自作の弁当に徹している。結果この数十年、病院のお世話になったのは歯科と耳鼻科だけで、これは「カラダの劣化」だから仕様がないかなと。

 

そんな予備知識があったことから【古雅楽館】《ぺカン》でも触れた(加工品も含む)ピーナッツはかなり長い期間、遠ざかっていて最後に食べたのはいつだったか忘れてしまった。理由は、毎年日本のどこかでしばしば検出される「カビ毒」にある。その中でも自然界で最強の発がん物質である『アフラトキシン』は、規制値違反を指摘された輸入穀物類の大部分で検出されるが、とびぬけて多いのが落花生・ピーナッツである。この「カビ毒」はこれまで熱帯地方を中心に何度も急性中毒事件を引き起こしており、また汚染された食品を継続的に摂取した場合は「肝臓がん」になる発がんリスクとして著名である。食品への含有量については世界各国で厳しい基準値が設けられているものの、大部分の食材を輸入に頼る我国では全てを検査するのは不可能である。ピックアップされた検査対象が偶々「引っかかった」のが実態だから、検査から漏れて市場に流通しているものはかなりありそうなのは想像に難くない、「あな恐ろしや」。告発記事ではないからこの辺で止めておくが、とにかく古雅楽館式食品選択基準はこのように結構突っ込んだところがあるのです。

 

 

 

 

 

【写真上左】頂いたばかり、袋一杯の『生落花生』。【写真上右】水洗いして半量を塩水と共に圧力鍋に入れ点火、加圧する。【写真下左】茹であ上がりを「ざる」にとり、残り半分も同じ手順を繰り返す。【写真下右】全部茹で上がった状態。そのままにして粗熱を取る。

 

先だってカミさんがトモダチ(奥様)から生の落花生を頂いてきた。なんでも親戚が千葉にお住いで、先日台風被害の手助け(後片付け)に行き、その御礼に送られてきたとか。感謝の印にその量が半端じゃなかったらしく、「お裾(すそ)分け」に預かった次第。『生落花生』なんて大昔東京に住んでいた時以来だから、ナン十年ぶりである。

 

ご存知のように落花生はマメ科の一年草で、江戸時代に渡来した。ユニークなのは普通の草花と違い開花後、実のなる部分が土に潜って膨(ふく)らみ結実すること。日本での総生産量12,300トン中、千葉県だけで9,600トンと突出しており、全体の78%を占める。因みに輸入量は約98,900トンだから、全体で国産の比率は一割にしかならない。なので、明示されていない限り、市販されているピーナッツやその加工品は全てが輸入物であると言ってよい。

 

落花生の収穫は9月下旬から10月にかけてなので、今年の相次ぐ台風被害は千葉県の生産地も大きな打撃を受けた。中心となる八街市でも収量が半減するなど、生産農家の方々は苦境に直面している。そんな状況下でも、貴重な『生落花生』にありつけるとは思いもよらぬ出来事で、有り難いことこの上ない。頂いた『生落花生』は当然のことながら、国産落花生最大のアドバンテージで、前述したような危険性は一切なしの「健康食品」であります。

 

 

 

【写真左】茹で上がり、殻の中一杯に詰まった大粒の『生落花生』。食べ応えがあり、冷めても縮まない。【写真右】酒飲みには「つまみ」として最高の取合せ。食感・味、共に乾燥させた普通の「ピーナツ」とは全く異なる。

 

生落花生は鮮度が落ちない内に食べるのが一番なので早速、下拵(したごしら)えすることに。カミさんは自分がもらっておきながら、「こういう珍しい物、料理するの好きでしょ」というアリガタイお告げで、全ての行程を古雅楽館に丸投げ。まあ内心喜んで袋を開けてみると大ぶりな殻付きがどっさり出てきて、計ってみるとジャスト500g。普通に茹でると30~40分はかかるし、いっぺんに茹でるのも大変だから、ここは圧力鍋で二回に分け時短で攻めることにした。

 

量を正確に半分に分けて軽く水洗いし、多少「塩」をきつめにして水から火にかける。手順は通常の圧力鍋と同じやり方だが古雅楽館の流儀は、蒸気が出て5分程加圧☞2分小火(しょうか)にかける☞数分蒸らす☞水を張った大きめのボウルに鍋底を漬け急速減圧☞ピンが落ちたのを確認して蓋を開け、別容器に移す。二回に分けて茹でても、作業時間は30分足らずで終了、圧力鍋の威力有難し。

 

茹であがったヤツを早速試食してみる。柔らかくなった殻をむくと、ピンクがかったベージュ色の特大な粒が出てきた。多分、最新の改良品種である『おおまさり』ではないかと思う。甘みのあるねっとりとした食感で、ほんのりとした塩味が効いてそのまま食べても本当に美味しい。カミさんも一掴(ひとつか)み取って、立ったまま貪(むさぼ)り食っている。これはもう酒のつまみに絶好と言うほかない。

 

 

 

   

 

【写真上左】ミックスビーンズと一緒に、『コンキリエ』のサラダ風パスタランチ。奥はメインディッシュの「鰯のローストとレッドパプリカのソテー」。【写真上右】パスタランチのの材料は『コンキリエ』をメインに、「ひよこ豆」など五種類のビーンズとソーセージ、胡瓜、レッドパプリカ、ピンクペッパー、それに生落花生。【写真下左】違う日のパスタランチ。具材はムール貝・隠元・レッドパプリカ・食用菊『もてのほか』。左上はルッコラ・キャベツ・赤大根『紅化粧』のサラダ。右が「じゃがピーベーコン」。【写真下右】その拡大。鉄板メニューの「じゃがベーコン」に生落花生をプラス。アクセントに「ローズマリーの花」を添えて。

 

そのまま食べるだけでは勿体ないので、冷めてから当面食べる分を残し、ジップロックに小分けして冷凍した。他に主だったレシピとしては炊き込みご飯やサラダ、煮込み料理の具材などがあるが、古雅楽館が試しに作ったものは豆と一緒のサラダや煮込みで、それこそ「ミックスビーンズ」そのもの。他に「じゃがピーベーコン」と言った具合で、どれも満足の味でした。

 

他にも使い道は広いと思うが、「これだ!」というアイデア料理を作ったら、いつの日か公開します。まあそれまで在庫が持つかどうか分からないけれど・・・。

 

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1.1960年に英国で一か月の間に10万羽以上の「七面鳥」が肝臓障害で大量死したことから、調査の過程で発見された。十数種類の関連物質の中で六種類が「食品含有に問題あり」とされ、毒性が最も強いのはB。カビが死滅しても「毒素」は残り、加熱しても無毒化できない。

 

2.1974年、インドで「急性肝炎」のため397名中、106名が死亡。2004年にはケニアで125名が死亡(患者数は不明)し、これまで知られる最大の中毒事件。いずれも劣悪な環境で長期保管していた「トウモロコシ」に『アフラトキシン』が発生したもの。

 

3.日本の基準値は0.01ppm。上記ケニアの中毒事件で、汚染されたトウモロコシから検出された毒素は日本基準値の4,400倍もあったという。本文でも書いた通り、穀物やナッツ類の産地国でどれだけ厳密に基準値を検査しているか、全く不明である(公表もしていない)。

 

4.二位は茨城県の1,500トンで、千葉県と合わせると国内生産量の90%以上を占める。

 

5.抗酸化作用が強い「ビタミンE」、体内のエネルギー代謝を促進する「ナイアシン」が豊富な他、様々なビタミン類、ミネラルを豊富に含んでいる。ただ「高カロリー食品」(100gあたり生で295kcal、乾燥したピーナッツだと562kcalだから、成人男子一日摂取量推奨値2,000kcal1/4になる!)なので、摂りすぎに注意。

 

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【トップ写真】10月上旬、六年ぶりに「竜飛崎」へ行って来た。10月とは思えない爽(さわ)やかな陽気で、「北のはずれ」らしからぬリゾート気分を満喫した。竜飛漁港から津軽海峡を眺めていると、沖合を一隻の漁船が船足を早めて通り過ぎる。ここではありきたりの眺めでも、旅行者には心が弾む光景だ。

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