【古雅楽館】ミントジュレップ

 

エスニックやヨーロッパ地方料理を頻繁(ひんぱん)に作る古雅楽館にとって、スパイスやハーブは必要欠かさざるものであり、これなくしては「○○料理」と呼べないものもあるから、或る意味食材以上に重要な役割を持っている。従って常備している種類もそれなりの数になるのだが、殆どは古雅楽館しか使わないから賞味期限までに使い切るのが一苦労で、主客転倒もいいところだ。

 

使用量の多い『ターメリック』や『ガラムマサラ』、『パプリカ』は「サトー商会」の業務用大缶、『ホワイトペッパー』、『ブラックペッパー』、『クミン』はいずれも「ホール」でこれも「サトー商会」の大袋。それ以外のスパイスは「ジュピター」や「カルディ」、「やまや」で中瓶サイズを買っている。

 

ハーブは生を使うのが最上なのでベランダに鉢を並べて栽培しているが、3月から4月一杯は植え付けや移植の時期に当たるため、庭木の剪定(せんてい)と合わせ農作業は大忙しである。今栽培中のハーブは十種類程で、『パセリ』や『バジル』といった一年草は毎年春先に苗を買い、『タイム』、『セージ』等の宿根草は「鉢緩(はちゆる)め」と言って、一回り大きいサイズの鉢に植え替える。ハーブの栽培はそれ程難しくないものの、大抵が「地中海性気候」の土地原産なので、梅雨時や真夏の猛暑に弱いから蒸れや日焼けに気を遣う。他に細かく言えば用土のpH調節も必要だが、一般的にはそこまで気にすることはない(と思う)。 

 

それらの中で日本の気候に合った強健なハーブが『ミント』である。何しろ日本原産の『薄荷(はっか)』は香料や医薬品に有用な「農作物」として江戸時代から栽培されているくらい歴史が長いのだ。家庭園芸でポピュラーなのは「西洋ミント」で、交雑しやすいため認定されている種類だけでも数百以上に上るとか。中でも代表的なのは『ペパーミント』と『スペアミント』で、世界中で広く利用されている。

 

 

 

【写真上左】ベランダでの栽培風景。ハーブの他にハンギングの草花が4種ほど。【写真上右】ミントは生育が旺盛なので、「根詰まり」には要チェック。左は『ペパーミント』で古くから『ジュレップ』に使われてきた。右はその名もズバリ『ケンタッキー・カーネル・ミント』。『スペアミント』と『アップルミント』の交配種。こちらも文字通り『ジュレップ』によく合い、葉が大柄なので、飾りつけに見栄えがする。

 

古雅楽館では二種類の『ミント』を栽培しているが、娘が偶(たま)に『ミントティー』を淹(い)れる位で、料理よりもカクテルに使うケースが多い。『ミント』を使った昨今人気のあるカクテルは『モヒート10』が有名だけど、古雅楽館にとっては『ミントジュレップ』以外に考えられない。『ミントジュレップ』を知ったのは高校時代で、1964年に公開された「007ゴールドフィンガー」を観たのが最初である。映画の後、追体験というか原作(勿論、翻訳(ほんやく))を読んだが、小遣いは趣味のヒコーキ関係にあらかた費やされ、「早川ポケットミステリー」を買えるまで手が回らなかった。仕方ないから、(ナイショの話)仙台市内の本屋さんを毎日数軒ハシゴしながら一週間ほど立ち読みしたのを思い出す。

 

(くだん)の『ミントジュレップ』が出てくるのは物語の中盤、ボンドが囚われてゴールドフィンガーの牧場「厩舎(きゅうしゃ)}へ拉致され、酒を振る舞われた時だ。何故定番の『ウオッカマティーニ11』でなく『ミントジュレップ』なのかというと、牧場のある地がケンタッキー州で、同州の特産である『バーボンウイスキー』をベースとしたカクテルだから。大概の方はケンタッキーと聞けば「フライドチキン」を連想するが、酒飲みには『バーボン』の聖地として、つとに名高いのだ。『バーボン』の製法は基本的に他のウィスキーと同じでも原材料は「コーン」が五割以上で、内部をバーナーで焼いて焦がした12「ホワイトオーク」の新樽に、蒸留した原酒を詰めて熟成させるのが特長である。それによりスコッチとは全く異なる独特の風味が加わるので、ウイスキー初心者でも両者を飲み比べて判別するのは極めて容易、個性的なフレーバー&テイストである。

 

十年ほど前から全世界的にカクテルブームが続いているが、『ミントジュレップ』は数多いウイスキーベースのカクテルの中でも『マンハッタン13』や『オールドファッションド14』と並んで人気が高いものの、何故か日本では影が薄いようだ。古雅楽館が思うに、日本人の呑み助には「生のミント」を使うというレシピが引っかかるのではないか。逆にアメリカでは国民的スポーツイベント『ケンタッキーダービー15』のオフィシャルドリンクとして、知らぬ人はいない程有名な飲み物である。ダービー当日、出走馬の本馬場(ほんばば)入場の際には、(大人の)観客全員が『ミントジュレップ』を飲みながら、ルイビル大学「マーチングバンド」の演奏に乗って『ケンタッキーの我が家16』を歌う。優勝セレモニーではケンタッキー州知事と優勝した騎手が銀製の『ジュレップカップ』で乾杯するのが習わしになっている。因みにダービー前日と当日の二日間で消費される『ミントジュレップ』は12万杯にも上るとか。

 

 

【写真】ケンタッキーダービー、メインスポンサーの『ウッドフォード・リザーブ』に敬意を表して作り上げた『ミントジュレップ』を夕方のベランダにて記念撮影。『ジュレップ』は「仄暗(ほのぐら)い」夜のリビングより、こんな黄昏時(たそがれどき)に外で飲むのが似合う。

 

いつもはジンかウオッカを飲んでいる古雅楽館もこの季節、時には伝統的な『ミントジュレップ』を飲んでみたい気分になる。どうせヤルなら本気モードということで、バーボンは2018年から『ケンタッキーダービー』の「オフィシャルスポンサー」になった『ウッドフォードリザーブ17』にしたい。氷も家庭用冷蔵庫のものはすぐ溶けて水っぽくなるため、大手スーパーなどで売っている、固く締ったヤツを使う。他に材料はソーダ(またはミネラルウォーター)にシュガーシロップ(または粉糖)、フレッシュミント(の葉)が必要で、ミントの葉がなければ絶対『ミントジュレップ』とは名乗れない。

 

レシピは色々バリエーションがあるが、古雅楽館的流儀は以下の通り。

1.コリンズグラス18やタンブラーにミント(一つまみ)とクラッシュドアイスを入れ、バースプーンで葉っぱを潰す。

2.本来はシュガーシロップか粉砂糖も加えるのだが、「ゴールドフィンガー」でボンドが如何にも彼らしく「甘みを抑えるように19」指定したレシピに倣って、古雅楽館もシロップはナシ。

 

 

 

 

 

【写真上左】『ミントジュレップ』を作る。材料はこの他に「クラッシュドアイス」、溶けやすいので冷蔵庫でスタンバイ。【写真上右】ミントの葉を下拵(したごしら)えする。潰す「葉っぱ」は「アク」や「苦味」が出ないよう、茎を取り除く。【写真下左】レシピ#3↓参照。右のステンレス容器はカクテルで使う『メジャーカップ』。上下で容量が異なり、小さい方が30mlだから『バーボン』を二杯分グラスに注ぐ。【写真下右】ソーダはほんの少し。「水」でも構わないが、「水道水」はマズくなるので「ミネラルウォーター」が必須。

 

3.バーボンを60ml加えてクラッシュドアイスを詰め込み、よくステアしてからソーダを好みの量だけ入れ、軽くステアする。

4.クラッシュドアイスが減った分だけ追加してミントの葉を飾り、ストローを添える。飾りの葉っぱは潰さない

5.恰好付けたけど、『ウッドフォードリザーブ』は少量生産の『スモールバッチ』ウイスキー(クラフトウイスキー20)なので値段もそれなりだから、ハレの日しか飲まない。普段は『オールド・クロウ21』か『ジム・ビーム22』である。

 

 

【写真】↑にある様に『オールド・クロウ』でやるのも、この通りサマになる。上記レシピ写真にも顔を出しているグラスは、『ケンタッキーダービー・オフィシャル・ミントジュレップ・グラス』。毎年デザインが変わり、写真は表示にある様に「第135回(200952日)」のもの。米国では年毎のグラスを収集しているコレクターがかなりいて、レア物は一個数万円で取引されている」。

 

最近の休日その日最初の一杯は、それこそ↑『ジンジュレップ』か『ミントジュレップ』づいている。庭仕事を終えてツナギの作業着を着たままベランダでミントを摘み、キッチンでクラッシュドアイスを作り、両者をグラスにぐりぐり押入れて『ジュレップ』を作る手間はそんなにかからない。ソファにもたれて、夕方6時になってもまだ明るい外界を眺めながら、ゆったりと飲む。ガラス戸を開け放したベランダにはハーブやハンギングの草花が並び、涼風に吹かれながら『ジュレップ』を飲る気分はまた格別、気分爽快この上ない。「酒が美味しい」としみじみ思うのはこんな時である。

 

 

 

【写真上左】オフィシャル・グラスの裏側には、過去のレース優勝馬の名前が記されている。【写真上右】本物の証拠、底に貼られたプライスシール。このグラスは以前ネットオークションで入手したが、『ビッダー(=競い手 【古雅楽館】《ポンテ・ベッキオ》参照)がおらず、「言い値」で落札した。

 

P.S.酒のハナシになると、ついリキが入り、本文より注釈の方が長くなってしまった。ご勘弁の程を。

 

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1.ショウガ科の多年草で、肥大した地下茎を加工した粉末はカレーパウダーには無くてはならないもの。芥子(からし)や沢庵の着色料としても重要。生産国はやはりインドが断トツ。

 

2.インド料理に欠かせない「ミックススパイス」。主原料は『シナモン』、『クローブ』、『ナツメグ』で、他に『カルダモン』や『クミン』、『コリアンダー』等を加える。混合の比率は特に定められておらず、自家製のものは皆異なる。「香り」を強調するのが役割なので、投入する量を加減しながら料理の仕上げ段階で使用する。『カレーパウダー』と『ガラムマサラ』の区別は『ターメリック』が入っているかが最大の相違点。

 

3.「ピーマン」や「しし唐」と同じく、辛味を持たないトウガラシの品種。生野菜として料理の応用範囲が広く、日本でもかなり普及しているが、(粉末)スパイスとしての利用頻度は未(いま)だしの感があり。料理を手軽に(安全に)赤く着色でき、熱すると特有の風味を持つので、個人的にはもっと使われてもいいと思う。生のレッドパプリカを塩漬けした後、干してペースト状にしたものはポルトガルで『マッサ・デ・ピメンタォン(=Massa de Pimentao)』といい、日本の味噌にも例えられる極めて重要な調味料である。

 

4.セリ科の一年草で乾燥させた種、『クミンシード』は古代エジプト・ギリシャ・ローマでも薬味や美容に重用されていた。特有の香りが南アジアや中東の人々に好まれ、インド料理には無くてはならないスパイス。他にトルコやモロッコ、レバノン料理にも重用される。

 

5.(若い人なら)料理を作らなくても、誰もが知っているハーブで、イタリア語では『バジリコ(=Basilico)』。ジェノヴァ名物のソース、『ペスト・ジェノベーゼ(=Pesto alla Genovese)』の主役。これで作るバジリコ・スパゲッティ(=Spaghetti Genovese)や、トマト・モッツァレラチーズ・新鮮なバジルの葉をトッピングしてイタリア国旗に見立てた『ピザ・マルゲリータ(=Pizza Margherita)』は、日本でも極めてポピュラーなイタリア料理だ。余談だが(大昔)古雅楽館若かりし頃、バジルの生葉は容易に手に入らなかったので、「シソの葉で代用すればよい」とある人から教わったことがある。

 

6.シソ科の多年草または低木。英語では『サルビア』全体を意味する言葉なので、ハーブとしてのセージ『サルビア・オフィシナリス(=Salvia Officinalis)』は『コモン・セージ(=Common Sage)』と呼んで区別している。強い「抗酸化作用」があり、古代から「医者いらず」の薬用植物として用いられた。イタリアやドイツ料理では欠かせないハーブの一つだが、巷(ちまた)でまことしやかに聞く「ソーセージ」の語源という『民間伝承』は俗説にすぎない。

 

7.その名の通り、地中海沿岸やオーストラリア南西部等に分布する『気候区分』のひとつ。雨が降るのは専ら冬で、春から秋にかけては乾燥した晴天の日が続く。土壌は『テラロッサ』と呼ばれる石灰岩が風化したもので、柑橘類やワイン用の葡萄(ぶどう)栽培といった『地中海式農業』と牧畜が行われている。

 

8.potential of Hydrogen = 水素イオン指数のこと。水溶液で例えると、7を基準としてそれより大きい時は「アルカリ性」、小さい時は「酸性」で、7付近が「中性」である。数字が大きく(或いは小さく)なるに連れて、アルカリ性と酸性の強さはきつくなる。一般には「食品」や「家庭用各種洗剤」のパッケージ表示でなじみ深いが、農業では商品作物の生産に適したpHを調節する「土作り」も重要な作業である。日本の農地は、火山灰質の土壌や降雨が多い等の理由から「(弱~)酸性」土壌で、大概の野菜が育つのに適した「中性土」に「矯正」する必要がある(詳しくは省略)。

 

9.明治になると北海道を中心に重要な農産物として作付面積が拡大、精製された『薄荷脳』は世界各地に輸出され、昭和12年頃には世界市場の九割を占めるまでになった。第二次世界大戦前後は国の統制強化で生産が途絶したが戦後再開、1950年代にピークを迎えたものの安価な輸入品に押されて衰退(すいたい)。更に「輸入自由化」や「合成薄荷」の発明で採算が取れなくなり、70年初めに商業ベースでの栽培は終了した。現在は嘗(かつ)ての生産地だった北見を中心に、地元特産品として『ハッカオイル』が販売され、その効用がTV等で再三紹介されている。

 

10.西 = Mojito ラムをベースとした『ロングドリンク』のカクテル。同じくラムを使った『キューバ・リブレ』と共に、キューバ発祥のカクテルとして有名。最近は日本でも若者向けのバーでは年々人気が高まり、よく飲まれるようになった。レシピは、フレッシュミント(の葉)+ライム+砂糖+ラム+ソーダ+氷。手順は『ミントジュレップ』とよく似ているが、ここでは省略。ラムはやはりキューバ産に拘(こだわ)って、王道の『ハバナクラブ』にしたい。

 

11.「カクテルの王様」として世界中に君臨する著名なカクテル。そのバリエーションは数えきれないが、基本は『ドライジン』と『ドライ・ベルモット』を3:1の割合で、氷の入った大き目のグラス(『ミキシング・グラス』という)に入れ、軽くかき混ぜ(『ステア』という)、『カクテルグラス』に注ぎ「オリーブの実」を飾る。ジンがウオッカに代わると『ウオッカマティーニ』になり、ジェームスボンドが好んで飲むことから一躍ブームになった。『マティーニ』については古雅楽館もコダワリがあるので、いずれ書く。

 

12.焦がし方は蒸留所により異なる。『ウッドフォード・リザーブ』を例にとると、最初は弱い炎でゆっくり炙り(=トーストという)、その後強い炎でコーティングするように焦がす(=チャーという)。

 

13.『マティーニ』と共に世界で最も有名なカクテルの一つで、「カクテルの女王」とも呼ばれる。ライ麦を原料とした『ライ・ウィスキー』と『スィート・ベルモット』を2:1、苦味の強い酒の一種『アンゴスチュラ・ビターズ』数滴を加え、後は『マティーニ』と作り方は同じ。ウィスキーの種類や他のスピリッツを替えたり、トッピングのチェリーを他のものにするとその都度、名称が全て変わる。

 

 

 

【写真】注釈↑↓で解説したウィスキーベースのカクテル二種。左が#13『マンハッタン』、右が#14『オールド・ファッションド』(チェリーだけ)。

 

14.アメリカンウィスキー(通常はバーボン)ベースのカクテルで、ステアやシェイクせず、グラスの中で直接作る(『ビルド』という)。『アロマティック・ビターズ』を数滴垂らして浸み込ませた角砂糖一個と、氷を入れたグラスにウィスキーを注ぎ、オレンジとチェリーを飾る。ロックグラスの正式の名前が『オールド・ファッションド・グラス』というのは、このカクテルに使用されるグラスを起源とするから。

 

15.アメリカ合衆国、「サラブレッド平地競馬」で5~6月に行われる3歳限定『アメリカクラシック三冠』で最初の競走(=第一冠)、開催日は5月の第一土曜日。数ある「競馬」の中でも最高峰のイベントで、観客動員数の多さや全米生中継される視聴率の高さ等、人気度はスポーツだけに留まらない。1875年に創設され、ケンタッキー州ルイビルの「チャーチルダウンズ競馬場」で開催、走行距離は1マイル1/4(≒ 2,012m)、走行タイムは2分と数秒。歴史が古く権威のあるイベントだけに、本文に書いた以外のエピソードにも事欠かない。

 

16.My Old Kentucky Home アメリカ音楽の父、スティーブン・フォスターが作詞・作曲して1853年に発表、1928年にはケンタッキー州の「公式州歌」となる。今の若い人にはKFCのCMとしてなじみ深いが、古雅楽館の中学時代は音楽の時間に習った。現在フォスターの曲は一切音楽教科書に掲っておらず、理由を詮索(せんさく)するのはやまやまだが、それはまた別の話だ。

 

17.Woodford Reserve バーボンウイスキーの伝統的な製造を頑(かたく)なに守る最古の蒸留所の一つ。前身は1812年に創業、その後何度か所有者が変わり、1994年にテネシー・ウイスキーの有名ブランド『ジャック・ダニエル』のオーナー、ブラウン・フォーマン社が買収、現在に至る。通常のバーボンウイスキーより発酵期間が長く、『蒸留廃液(バックセットという)』の量は他のバーボンと比べて控えめなのが特長。また蒸留も他のバーボンとは異なり、スコッチと同じ『ポットスチル』を用いる(工程はスコッチと異なる)。『ウッドフォード・リザーブ』を用いた『ミント・ジュレップ』や『オールド・ファッションド』は、バーボンベースのカクテルとして最高なだけにバーテンダーにとっては腕の見せ所である。但し、バーに行って「ウッドフォードベースで」とオーダーする時は、『バックバー(カウンター背後にある酒の棚)』に『ウッドフォード』が鎮座(ちんざ)しているか、必ず確かめること。もし置いてなかったら、バーテンダーかアナタのどちらか(大抵はアナタ)が恥をかくし、ないものねだりの「イヤミ」としか受け取られかねない。

 

18.Colins Glass 円筒形の背の高いグラスで、300~360ml位の容量。ロング・ドリンクに用いられ、別名『トール・グラス(= Tall Glass 背高グラス)』、『チムニー・グラス(= Chimney Glass 煙突グラス)』とも。

 

19.典型的な「ブリティッシュスタイル」の三つ揃いスーツで「not too sweet」とのたまうのが、メチャかっこ良かったなあ。当時は何のことか分からなかったけれど・・・。脱線するけどボンドが着ているスーツのジャケットは「腰のポケット」が英国以外考えられない斜めの『スラント・ポケット』で、しかも右側は『チェンジ・ポケット』付きという、これでもかと言うほどの英国ファッション。普通「捕虜」になったら、ひげボーボー、ヨレヨレのぼろい姿だろうに(勿論ボンド映画だから、「キザ」で迫らないとサマにならないのは承知)。

 

20.『クラフト』の(私的)定義、『バッチ』については、【古雅楽館】《紅櫻蒸留所》を参照されたい。

 

21.Old Crow  1835年創業された、最も古いバーボンの一つ。創業者ジェームス・C・クロウが生み出した蒸留酒は著名人に好まれ、一時はアメリカ国内で最も売れたバーボンだったが、20世紀末に製造工程の手違いから品質が「ガタ落ち」し、そのまま改善せずに製造を続けたことで極度の販売不振に陥った。併せて経営努力の欠如から実質的に倒産、↓の『ジム・ビーム』に売却、その後蒸留所は閉鎖されてブランド名だけが残るという不名誉な結果となった。現在は『ジム・ビーム』と同じ原料を用いた三年熟成のバーボンとして販売されている。個人的には色々と思い入れがあるバーボンだけに、いつか一章を設けてみたい。

 

22.Jim Beam  1795年以来作られており、世界で圧倒的な知名度を持ち一番売れているバーボンの銘柄。バーボンとしては(よくも悪くも)荒々しさがなく、まろやかな味わいでバーボンが初めての方にも抵抗ない(と思う)。熟成期間は一番短い『ホワイトラベル』が四年で、『オールドクロウ』と差別感を出している。

 

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【トップ写真】以前にも載せたことがあるが、古雅楽館満開時の「藤」。去年全くダメだったこともあり、今年は道往く多くの人々に楽しんでもらった。わざわざ遠くから車で見に来られた方もいて、感謝しております。

 

 

 

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